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ダイコン
1kg 106 円
7 円
ニンジン
1kg 154 円
3 円
ハクサイ
1kg 79 円
18 円
キャベツ
1kg 75 円
5 円
ホウレンソウ
1kg 521 円
15 円
白ネギ
1kg 414 円
レタス
1kg 112 円
21 円
キュウリ
1kg 316 円
ナス
1kg 339 円
19 円
トマト
1kg 270 円
24 円
ピーマン
1kg 387 円
20 円
ジャガイモ
1kg 183 円
サトイモ
1kg 842 円
69 円
タマネギ
1kg 108 円
32 円
ハウスミカン
1kg 1517 円
192 円
リンゴ
1kg 490 円
2 円
桃
1kg 1375 円
230 円
サクランボ
1kg 2731 円
57 円
デラウェア
1kg 1657 円
82 円
巨峰
1kg 2734 円
173 円
イチゴ
1kg 1223 円
25 円
アールス
1kg 666 円
138 円
一般メロン
1kg 523 円
大玉スイカ
1kg 238 円
13 円
小玉スイカ
1kg 318 円
12 円
輪菊
1本 48 円
1 円
スプレイ菊
1本 50 円
小菊
1本 33 円
0 円
カーネ(ST)
1本 57 円
カーネ(SP)
1本 63 円
6 円
バラ(ST)
1本 92 円
バラ(SP)
1本 102 円
4 円
ユリ・オリエンタル
1本 251 円
17 円
ユリ・スカシLA
1本 81 円
ユリ・テッポウ※
1本 100 円
スターチス
1本 62 円
スターチスHB
1本 77 円
ガーベラ
1本 34 円
トルコギキョウ
1本 161 円
宿根カスミソウ
1本 76 円
34 円
%4 %
1キロ価格(6日)
158 円
前市比(5日)
前年比
前々年比
平年比
99%
NOPIX値(6日)
青果 105
野菜 129
青果 ▼38
野菜 ▼31
441 円
64 円
38 円
92%
果実 58
果実 ▼43
1本価格(6日)
66 円
前市比(4日)
110%
57
▲21
_本紙1面に掲載する市況情報をいち早く公開します。 ※本紙または電子版の購読者限定サービスです _ _■netアグリ市況とは 日本農業新聞は、野菜、果実、切り花で独自の市況指数を算出しています 各地区大手14卸と連携し、野菜・果実では1キロ平均価格を、切り花では1本当たりの価格を「日農平均価格」として算出。 「今日の相場は上がったのか」「平年と比べて高いのか安いのか」「過去の値動きはどうだったのか」を、グラフや表を使い一目で分かるようにしました。 全国各地の卸の値動きを、取引当日にまとめて確認できます。 _
近年、競争が激化するスキンケア商品市場で、国産農産物由来の化粧品成分を取り入れた商品が好調だ。化粧品メーカーは、差別化戦略として、国産原料で品質へのこだわりをアピール。定着が進む輸入化粧品にも対抗する。「肌に直接付けるものなら安全・安心な商品を」とした消費者から、支持を獲得している。国産農産物のPRへ、新たな切り口となりそうだ。 _ _過去最高売り上げ支える国産大豆 _始まりは「豆腐屋さんの謎」 _ 医薬品・化粧品などを製造・販売するノエビアグループ常盤薬品工業(神戸市)は国産大豆の豆乳を使用した、スキンケア商品「なめらか本舗」ブランドは成長を続ける。化粧水や美容液、乳液などを幅広く展開し、2024年9月まで1年間の売り上げは過去最高を記録した。 04年のブランド設立当初、健康志向の高まりでイソフラボンが関心を集めていた中、「お豆腐屋さんの手がすべすべなのはどうして?」という疑問から商品開発を進めた。当初から国産大豆を使用し、商品には「国産大豆ふくゆたか使用」などと表示する。同社は「輸入大豆では農薬使用など栽培状況も把握しづらい。国産で品質に配慮されたものを使用したい。国産と表示することで大豆へのこだわりと安心を感じてほしい」と語る。_ _ _ _(常盤薬品工業提供) _ _ _ _55種の強み生かし配合 _ 同社は全国から55種類の大豆を集め成分を研究。豆乳に加工して発酵・濃縮したイソフラボンを豊富に含む保湿成分「豆乳発酵液」を抽出して配合する。 品種によって保湿や肌を健やかに保つ成分が異なり、美白ラインの商品には北海道産「ゆきぴりか」、エイジングケアラインには滋賀産「タマホマレ」、保湿ラインには九州産「フクユタカ」を採用。同社は「ユーザーから国産大豆使用が安心感につながるとした声がある」と話す。_ _ _ _(写真は常盤薬品工業提供) _ _ _ _化粧品需要でクチナシ生産継続 _ スキンケア化粧品の相手先ブランドによる生産(OEM)などを行うサティス製薬(埼玉県吉川市)は、「肌悩みにアプローチする有効性を追求した結果、有効成分が豊富に含まれている各地の素材にたどり着いた」と全国各地の農産物などを活用した化粧品原料の開発に取り組む。これまでに青森産食用菊、大分産クチナシなどから作り、100種類以上に及ぶ。配合した化粧品の年間出荷数は、10年の開始当時の14万個から22年には2700万個以上に拡大した。 大分県のあるクチナシ生産者は、食用需要低下で生産をやめようと悩んでいた。しかし化粧品への活用が決まると、継続を決断。「クチナシを求める人がいることが希望になった」という。同社は「肌悩みにアプローチする成分は農産物の中に眠っている。今後も各地の素材を発見していきたい」と語る。 _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _(写真はサティス製薬提供) _ _ _ 民間調査会社の富士経済は24年9月、スキンケア商品市場は近年拡大し、24年には1兆3956億円に達すると見込んだ。韓国のメーカーなどからも商品の投入が進み競争が激化しているという。配合成分を重視して商品を選ぶ消費者が増加。同社は「今後も効果や成分を重視する傾向は強まる」とみる。国産農産物由来の成分が今後、注目度が高まりそうだ。 _ _ スキンケア商品での国産由来成分の表示を歓迎したい。メーカーは商品へのこだわりや安心感を打ち出すのに、国産原料の採用が有効な手段とみているのだ。表示からどんな産品か、消費者は関心を示す。実際にその農産物を食べたくなる人も出てくるはずだ。スキンケア商品を通じて生産側の情報を発信する機会にしてみてはどうだろうか。国内の農産物が持つ可能性を広げ、消費拡大への新たな一手として期待される。_ (森井千尋)
ブロッコリーの相場が平年比1、2割安と軟調だ。西南暖地産を中心に安定した入荷がある一方、野菜全般の潤沢感で引き合いが弱い。今後は西南暖地産が出荷最終盤に入ることで総量が減り、後続で出荷序盤のため単価が高い長野産などが増えるため「相場は強もちあい」(東京の青果卸)の見通し。 ブロッコリーの26日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は、平年(過去5年平均)比12%安の1キロ336円。5月以降、7卸取引量が平年を上回って推移する中、軟調な取引が続いている。 京浜市場の主力・JA香川県は「前年のような病害もなく、生育順調で安定した出荷となっている」と話す。直近の気温の低下で「この時期としては例年より正品率も維持されている」という。大阪市場の主力・徳島産は、5月上旬に出荷のヤマを迎えた後も順調な出方が続いている。JA全農とくしまによると「5月上・中旬の出荷量は平年並み、少なかった前年同期比では2倍程度の安定した出方だった」という。香川、徳島産ともに出荷は終盤に差しかかっており、出荷量は今後減少する見込みだ。 安定入荷の一方、引き合いは弱い。東京の青果仲卸は「春夏商材が売り場を広げる一方、ブロッコリーはゆでて食べる商材のため、気温の上昇とともに需要が落ち着き始めている」という。大阪の青果仲卸は「底堅い需要がある」とするが、「潤沢に出回る品目同士で売り場を押し合っており、野菜全般の荷動きが鈍い状況」と話す。 今後の相場展開について大阪の青果卸も、東京の青果卸と同様に「来週あたりから相場は徐々に上向いていく」と見通す。 (郡司凜太郎、永井陵)
政府備蓄米は責任を持って消費者に届けています--。JA全農長野は21日、備蓄米の販売状況を公表した。全農長野はJA全農を通じて1回目の入札で長野県産米の他、さまざまな産地の備蓄米7700トンを確保。このうち、県内の米卸売事業者2社に約1000トンを出荷し、すでに卸には62%を出荷したと説明した。 全農長野は確保した備蓄米の流通・販売が順調に進んでいることを受け、3回目の入札で2000トンを新たに確保したことを明らかにした。米穀課の池田吉隆課長は「売り場に米がないという状況を防ぐため、追加で確保した」と説明。「切れ目なく消費者に米を提供してく」と話した。 _ _ _ _ 全農長野は同日、消費者に向けて販売状況を伝えるため、開店前のA・コープファーマーズ南長野店(長野市)の精米売り場を報道陣に公開。備蓄米は「国内産ブレンド米」として5キロ2990円(税別)で店頭に並んだ。 運営会社の長野県A・コープの米担当者は「備蓄米でもうけようとは思っていない。なるべく多くの人に米が行き渡るよう、この価格で販売を続ける」と話した。 (岩下響)
食品事業者の3割が農業への参入に関心があることが、日本政策金融公庫の調査で分かった。2割は既に参入。7年前(18年調査)より4・3ポイント増え、原材料の調達などに向けた参入がじわり拡大しているとみられる。 1月に郵送とインターネットで調査し、製造や小売り、飲食など食品関連事業者2147社から回答を得た。 既に参入している事業者は17%で、自社やグループ会社などで「農業を行っている」が15・7%、「農業法人に出資している」が1・3%となった。参入に関心がある事業者は26・6%で、「計画または検討している」が3・7%、「関心はあるが、検討していない」が22・9%だった。 公庫は、国産農林水産物の調達では、十分な量を確保できないことや、価格変動の大きさが課題となることで、「調達への危機意識が高まっているのでは」と推測する。 一方、参入を「断念した、または撤退した」も1・6%あった。参入に「関心がない」のは54・8%で。7年前から1・6ポイント減った。 既に参入しているか参入を検討している営農類型を複数回答で聞くと、「畑作」が34・8%で最高だった。「果樹」が23・4%、「稲作」と「露地野菜」が19・4%で続いた。 業種別にみると、製造業のうち既に参入している割合が最も高かった業種は「酒類」で33・1%だった。一方、参入に関心があるのは「精穀・製粉」が36・4%で最も高かった。卸売業では、既に参入しているのは「青果物」が28・3%で最高、参入に関心があるのは「穀類・豆類」が54・1%で最も高かった。 (本田恵梨)
県独自ブランドのイチゴやスイカ、完熟カボス――。近年、市場が急拡大しているグミは、国産果実を使った商品の提案が活発だ。果汁の使用以外にも、品種や産地名を出すことでPR効果が期待できる。果実の摂取量が減少する中、若年層の消費も多いグミは果実の救世主となるのか。産地やメーカーが一粒に込める思いに迫った。 _ _ _ _ _ _市場1000億円_止まらぬ拡大 _ グミの市場は急拡大している。調査会社インテージによると、市場規模は24年が1138億円に上り、7年で約2倍になった。その間、グミの進化は止まらず、果実そっくりな見た目や食感を追求した商品が次々と登場している。その裏で果実の消費量は落ち込んでおり、20才以上の1人1日当たり摂取量は23年が91・6グラムで10年前から2割減少した。果実離れの一因をグミとする見方もあるが、近年風向きが変わった。グミは果実消費を後押しする動きもある。 _ _ _ _ _国産で全76種累計4600万パック _ JA全農のブランド「ニッポンエール」では、全国の特色ある国産果実を使ったグミを21年に発売し、これまで76種が開発・販売されてきた。23年には47都道府県を制覇した“ご当地グミ”だ。商品数を生かして選ぶ楽しさや売り場で並べてPRできることを強みに、全国の量販店や直売所などで販売。シリーズで約4600万パックを売り上げた。 滋賀県では、県オリジナル品種のイチゴ「みおしずく」を採用。JA全農しが園芸特産課は「新品種のPRになればと提案。生のイチゴが流通しない時期でも販売が可能で、認知度向上につながる」と期待する。県内のスーパーでは、生の「みおしずく」とグミを並べた販促で消費者から反響があったという。 また、大分県産完熟かぼすの果汁を使用したグミは、同商品をきっかけに他メーカーがフレーバーに採用するなど反響があった。完熟したカボスは生果として市場流通に向かないため、加工品にすることでおいしさを伝えられた一例だ。 _ _ _種類が豊富なニッポンエールのグミ(東京都千代田区で) _ _ _ 昨今は果実生産量の減少や若い世代を中心に果実離れが進んでいる。開発を担当した全農営業開発部MD企画課の戸川美子課長は「手に取りやすいグミで果実を知ってもらい、生果の販路拡大につなげたい。認知度向上に加え、一般流通に向かない規格外品の活用も担っている」と語った。_ _産地、果実感…_大手もこだわり _ 幅広い世代から人気を集める「果汁グミ」を手がける明治(東京都中央区)は同商品の発売以来、市場をけん引してきた。ニーズに合わせて多様なシーンで手に取ってほしいと同商品は、噛み応えでも選べるように「かみごたえチャート」を記載。また、個包装の食べ切りサイズもラインナップに加える。 UHA味覚糖(大阪市)は、“まるで果実”をコンセプトに「コロロ」を販売する。グミをコラーゲンで包み、ぷちっと弾ける食感とジューシーさが特長だ。巨峰味やシャインマスカット味は「本当にブドウを食べているみたい」などと反響が届くという。 カンロ(東京都新宿区)の「ピュレグミ」はドライフルーツをイメージした果肉食感と甘酸っぱい味わいが魅力だ。産地や品種にこだわった果汁を使用し商品も提案している。 _ _ _(明治、UHA味覚糖、カンロ提供) _ _ _ _ 果実の摂取量が減少傾向にある中、どのようにして消費をつかむのか。まずは果実のおいしさや種類の多様さなどを知ってもらうことが必要不可欠だ。 手軽に楽しめるグミは、果実の規格外品の使用や、各メーカーの産地・品種を前面に出した商品提案も広がっている。グミを好む若い世代に果実をPRするには、救世主のような存在だ。だからこそ味方につけ、生果実の消費拡大につなげる好循環を目指したい。 (菅原裕美)
_国の支援拡充が奏功、枝肉相場も上向く _ 食肉卸業者と実需がタッグを組み、和牛肉の売り込みを活発化させている。予算額が前年度比3倍以上に拡大した国の事業を活用し、食肉卸業者は和牛枝肉の調達を強め、低迷していた枝肉相場も上向く。高級部位の取り扱いを始めたり、和牛枝肉を一頭買いしたりする実需も出てきており、年度を通じた盛り上がりに期待がかかる。 農水省は、和牛の需要開拓に向け、食肉卸業者と小売りや外食といった実需者が連携した販売促進の取り組みを後押ししている。両者間でキャンペーンなどの計画を立ててもらい、実需者への販売量に応じて食肉卸業者に助成する。 物価高騰による和牛の消費低迷を踏まえ、2024年度の補正予算では前年度の3倍超となる170億円を措置。同省によると、「予算を大幅に増やしたが、それを超える多くの要望が来た」(食肉鶏卵課)という。 _ _ _ _ 背景には、予算の増額による支援内容の拡充があるとみられる。例えば、食肉卸業者から実需者に販売された和牛のうち、ヒレやリブロースなどのロイン系部位では、1キロ当たり1800円の助成が受けられる。前年度では、同1600円で12・5%増額した。農畜産業振興機構(alic)によると、24年度のサーロインの平均卸値(A5・和牛去勢)は同約7000円だった。支援を活用することで、4分の1程度が賄われる。新たにロイン系以外の部位でも助成を受けられるようにし、同600円とした。 焼き肉店などへ和牛を販売する大手食肉メーカーは「3、4等級の取り扱いが多かった店が、5等級の和牛を買ってくれるようになった」と支援活用のメリットを語る。さらに、「新たに一頭買いを始めてくれた」(同)など、和牛の売り込みに期待がかかる。 _ _ _ _ 低迷していた枝肉相場も回復傾向だ。建値となる東京食肉市場の5月の加重平均価格(A5・去勢、14日時点)は、前年比67円高の1キロ2558円。24年は1キロ200円程度前年を下回る月もあったが、支援活用の申請が集中した2月は前年並みにまで回復し、5月はもう一段上げている。 都内のスーパーでは、ブランドを指定した和牛販促フェアを開催するなど、年度を通じた盛り上がりに注目が集まる。 (廣田泉、森市優)
国内の港で従事する労働者がストライキを行い、食肉や青果など農畜産物の輸入で遅延が発生している。賃上げなどを求めて港での積み降ろし作業が滞ったり、日本への入国を後回しにしたりする動きが広がる。問題が長期化すれば、生鮮品の品質に影響が出るとした懸念が、輸入業者に広がる。 ストライキを行っているのは、全国の港で貨物の積み降ろしなどに従事する労働者組合の全国港湾労働組合連合会と全日本港湾運輸労働組合同盟。3月末から、週末の始業時から翌日の始業時までの「24時間ストライキ」などを行っている。 日本の港で貨物の積み降ろしができない場合、先に韓国や中国など他国へ向かうこともあり、日本への到着が後回しになっている。 生鮮品や冷蔵品などは、特に遅延の影響が顕著だ。冷蔵品の豚肉は賞味期限が60日あり、通常、通関を切る際には残りの賞味期限が30日程度になる。しかし、今回の港湾制限で「本来の到着予定よりも2週間程度遅れている」(大手食肉メーカー)ことから、残りの賞味期限がさらに半分に削られている。これ以上の遅延が発生する場合には、冷蔵品を船上で凍結させ、冷凍品として量販店に卸す必要がある。現状、店頭での販売価格に大きな影響は出ていないものの、「量販店への卸値は下げざるを得ない状況だ」(同)。 輸入果実にも影響が出ている。ストライキで作業ができないことを理由に日本を飛ばして他国へ向かった船便があったとし、輸入業者は「チリ産ブドウは、当初の到着予定より3週間ほど遅れた。品質低下の懸念がある」と話す。同社は港湾指定区域内に施設があり、ストライキ実施日は施設での出荷作業などができないという。欠品を避けるため、事前に2日分の注文を取るなど対応に追われる。 両組合は14日に団体交渉を行うとする。各輸入業者は、今後は団交の結果次第としつつも、「船会社側がスケジュールを変更している可能性もあり、妥結しても半月程度は影響が出るのではないか」と懸念する。 (廣田泉、菅原裕美)
生花を使った香りの商品を扱う生花店が増えている。生花の香りを凝縮させた香水などのフレグランスを展開。国産生花でこだわりを演出する他、規格外品を活用して消費者の支持を集める。各社は香りの商品を通じて本業の生花販売につなげる狙いだ。 富士経済によると、フレグランス市場は2023年に前年比12・6%増の500億円。外出時の使用機会の回復やギフト需要の高まりで市場が拡大した。24年は同9・4%増の547億円となる見込みだ。 _ _ _青山フラワーマーケットでは国産のスズランを使ったフレグランスを期間限定で発売(東京都港区で) _ _ _ パーク・コーポレーションが運営する青山フラワーマーケットは4月下旬、スズランの香水(オードトワレ)を期間限定で発売した。長野県のJAながのみゆきスズラン研究会のスズランを使い、花と葉からエキスを抽出。生花ならではの植物の青さも表現したのが特徴で、価格は40ミリリットル入り3960円だ。同社の三浦素直さんは「本業は生花販売。香水を通じて切り花の購入につながれば」と話す。 同社は13年にフレグランスを発売し、24年は約2万個を売り上げた。現在バラとユリ、スイートピーの3種を通年販売する。生花販売でこだわる産地のものを香水にも使用している。 _ _ _国産バラの規格外品を活用したフレグランス(ジャパンフラワーグループ提供) _ _ _ エシカル(倫理的)ブランドの室内用フレグランスとして、規格外の国産バラをメインに使用するのはジャパンフラワーグループだ。バラ専門店「ローズギャラリー」を展開する同社の面田絵美さんは「切り花として商品にならなかったものも生かしきる」と話す。 神奈川県にある契約農家から出た規格外品を集め、花びらから香りを抽出した。21年のブランド設立以降、約1000本を販売。面田さんは「本物のバラの香りもぜひ楽しんでほしい」とする。 _ _ _ _生活の木とコラボレーションして発売したディフューザー(日比谷花壇提供) _ _ _ 日比谷花壇は、ハーブなどの輸入や加工品の製造販売を手掛ける生活の木(東京都渋谷区)とタッグを組んだ。雑貨販売が伸びていることから、フレグランスの香りを楽しむディフューザーを追加。生花店として花の特性や消費者が好む香りを知っていることを強みに、香りの開発からパッケージのデザインも手掛けた。「母の日」には生花とのセット商品も扱った。 富士経済は今後、フレグランスの使用習慣が広がる余地があるとみており、イベントによる訴求や、成分や香りの効果といった新たな側面からの商品提案が進むとする。 (森ちづる)
雑貨店やカフェチェーン、炊飯器メーカーなどの異業種がおにぎり事業に相次ぎ参入している。おにぎりが手軽に食べられる国民食と支持される中、製造側には調理工程が簡素な上、ご飯や具の使い方で独自色を出しやすい利点がある。コンビニがけん引してきた市場は専門店の急速な出店拡大により、競争が激しさを増す。 _ _ _ _ _ _日本の食文化気軽に 訪日客狙う 3COINS _ _ _ _(提供=パル) _ _ _ 全国に300店舗以上を展開する雑貨ブランド「3COINS(スリーコインズ)」は、生活雑貨やインテリアなどを300円を中心に販売する。そんな人気チェーンが2025年2月から、おにぎり事業に参入した。飲食店とコラボし、「3COINS」原宿本店の他、東京都内にある同飲食店の3店舗でおにぎりを販売する。 原宿本店ではこれまで、フルーツサンドやアイスなど、トレンドを意識した食品を扱ってきた。その中で、地方観光客やインバウンドなど多様な客層に日本の食文化を気軽に楽しんでほしいとして、おにぎり事業への新規参入を決めた。 おにぎりは「スリコオニギリ」と銘打ち、1個324円を基本にして売る。各地の郷土料理をアレンジした、「鮭のちゃんちゃん焼き」や「高菜ゆずめんたい」など展開。原宿本店では40~50個のおにぎりが毎日完売し、「具の珍しさを評価する客も多い」(同社スタッフ)という。_ _ _ _「3COINS」原宿本店の一角で「スリコオニギリ」を売り込む(東京都渋谷区で) _ _ _ _最高級の炊飯器でご飯食を“体験” 象印マホービン _ _ _ _(提供=象印マホービン) _ _ _ 炊飯器メーカーの象印マホービン(大阪市)は22年、おにぎり専門店の「象印銀白おにぎり」を大阪市にある阪神梅田本店にオープンした。今年9月には、市内にある商業施設「コムズガーデン」内に2号店をオープンする。同社の最高級炊飯器「炎舞炊き」で炊いたご飯が売りで、米の消費量が減り通づける中、おにぎりでさらなるご飯食の体験機会の創出を目指す。 「象印銀白おにぎり」の売れ行きは毎年増加傾向で、24年には過去最高の売上高を記録。創作おにぎりの「海苔づくし」(281円)など、多い日には1日で700個以上を売り上げる人気ぶりだ。 _ _ _炊飯器「炎舞炊き」で炊き上げたご飯をアピールする店頭(象印マホービン提供) _ _ _ _名古屋名物前面に 首都圏に3店舗 コメダ _ 大手カフェチェーン「コメダ珈琲店」を手がけるコメダ(名古屋市)は今年2月、新業態となるおにぎり専門店「おむすび米屋の太郎」を東京都新宿区の商業施設にオープンした。同月には埼玉県内にも2店舗を新規開店し、名古屋名物の「天むす」や「味噌(みそ)ヒレカツむすび」に加え、地鶏「名古屋コーチン」(330~580円)などの特産品を使ったおにぎりを売り込んでいる。 _おにぎり協会に聞く どんな米が合う? _ おにぎりでは一般的に、「低アミロース」や「大きな粒」の米が好まれる傾向にある。おにぎり協会の中村祐介代表によると、おにぎりは特性上、形成には粒同士がくっつく粘りと、冷めた状態でもおいしい米が求められる。「ゆめぴりか」や「ミルキークイーン」といった低アミロースの米は粘りが強く、もっちり感が冷めてもおいしい評価につながりやすい。米粒が大きければ、ひと口の満足感が大きくなる。ただ、具との相性も重要だ。中村代表は「米の選び方にも、料理人の創意工夫が表れる」と話す。 _ _ おにぎり市場の成長はどこまで続くのか。現在、コンビニおにぎりの販売数量は年間50億個以上といわれる。大手グルメサイト「食べログ」でのおにぎり専門店の掲載数は2197店(4月末時点)で、5年間で約2倍に増えた。従来は、低コストで参入できる利益率の高さが売りだったが、近年は異業種参入や専門店が増加するブームで、風向きが変わった。おにぎりは、米の魅力を広く訴える重要な商材だ。各社の生き残りに向けた工夫が、米の新たな価値提案につながってほしい。 (鈴木雄太)