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ダイコン
1kg 94 円
12 円
ニンジン
1kg 175 円
20 円
ハクサイ
1kg 66 円
1 円
キャベツ
5 円
ホウレンソウ
1kg 499 円
15 円
白ネギ
1kg 420 円
10 円
レタス
1kg 103 円
6 円
キュウリ
1kg 285 円
8 円
ナス
1kg 386 円
トマト
1kg 327 円
14 円
ピーマン
1kg 493 円
7 円
ジャガイモ
1kg 151 円
3 円
サトイモ
1kg 840 円
タマネギ
1kg 139 円
33 円
ハウスミカン
1kg 1188 円
266 円
リンゴ
1kg 495 円
17 円
桃
1kg 1137 円
150 円
サクランボ
1kg 3341 円
デラウェア
1kg 1554 円
74 円
巨峰
1kg 2504 円
70 円
イチゴ
1kg 1487 円
109 円
アールス
1kg 815 円
一般メロン
1kg 528 円
大玉スイカ
1kg 231 円
小玉スイカ
1kg 307 円
輪菊
1本 43 円
0 円
スプレイ菊
1本 44 円
2 円
小菊
1本 28 円
カーネ(ST)
1本 63 円
4 円
カーネ(SP)
1本 65 円
バラ(ST)
1本 79 円
バラ(SP)
1本 94 円
ユリ・オリエンタル
1本 243 円
ユリ・スカシLA
1本 71 円
ユリ・テッポウ※
1本 97 円
スターチス
スターチスHB
1本 75 円
ガーベラ
1本 34 円
トルコギキョウ
1本 134 円
宿根カスミソウ
1本 83 円
9 円
60 円
%4 %
1キロ価格(14日)
164 円
前市比(13日)
前年比
前々年比
平年比
104%
NOPIX値(14日)
青果 122
野菜 132
青果 ▲13
野菜 ▽2
508 円
28 円
果実 100
果実 ▲31
1本価格(13日)
63 円
前市比(11日)
111%
NOPIX値(13日)
58
▲17
_本紙1面に掲載する市況情報をいち早く公開します。 ※本紙または電子版の購読者限定サービスです _ _■netアグリ市況とは 日本農業新聞は、野菜、果実、切り花で独自の市況指数を算出しています 各地区大手14卸と連携し、野菜・果実では1キロ平均価格を、切り花では1本当たりの価格を「日農平均価格」として算出。 「今日の相場は上がったのか」「平年と比べて高いのか安いのか」「過去の値動きはどうだったのか」を、グラフや表を使い一目で分かるようにしました。 全国各地の卸の値動きを、取引当日にまとめて確認できます。 _
日本花き卸売市場協会に加盟する全国114市場の花き卸の2024年取扱高は、前年比3・6%減の3477億294万円だったことが同協会のまとめでわかった。2年連続の前年割れ。気候変動の影響で産地からの供給量が減ったことが響いた。 取扱高は新型コロナ禍の巣ごもり需要で21、22年に拡大したが、23年は前年比1・2%減と減少に転じた。24年は下げ幅が拡大し、上位50の市場卸で前年から増加もしくは横ばいとなったのは、5にとどまった。 取扱高の内訳を見ると、切り花は前年比2・1%減の2579億9579万円、鉢物は同7・8%減の804億9902万円。 24年は高温障害や秀品率の低下、育苗中の急激な温度変化による生育不良などが発生。物日需要のある切り花は年末まで品薄高となった。鉢物は供給量が減る中、猛暑で屋外売り場の需要が減った。 同協会は若年層の花贈りなど新たな需要が生まれているとした上で、「需要を捉えながら対応する。気候条件に応じた品目転換を提案するなど産地との情報交換も進めたい」とした。 (森ちづる) _ _ _
原材料に大豆や卵を使わないアレルギーフリーの米由来「マヨネーズ」が12日、大阪・関西万博の新潟県ブースに登場し、好評を集めた。県と山崎醸造(小千谷市)が米の新たな需要開拓へ2年かけて開発、2024年度の研究成果として発表した。万博の「食と暮らしの未来」というテーマウィークに合わせた県のブースで披露された。マヨネーズは7月の販売を目指す。 米由来マヨネーズは、乳化に必要な卵黄や大豆タンパクを使わない。同社はこのマヨネーズを、卵や大豆アレルギーを持つ人でも使える新しい調味料として市場開拓する。 県農業総合研究所食品研究センターは、玄米と米こうじ、食塩からなるみそ風味調味料を目の細かなふるいで裏ごしすることで、卵黄の代わりとなり、乳化促進と食感向上ができることを突き止めた。裏ごしした物に米酢と米油を合わせ、色や食感を再現した。 来場者は米由来のマヨネーズで合えたポテトサラダなどを試食した他、みそ風味調味料と米酢、水を合えた物と米油をかき混ぜ、米由来のマヨネーズを作る体験、試食をした。 岐阜県高山市の会社員、戸田ひろみさん(39)は「酸味とこくが程良く、さっぱりした味付けで違和感ない」と感心していた。 同社の羽田知由製造部長は「米どころ新潟発の調味料として世界に提案したい。直販や業務用の他、高級量販店にも拡販したい」と強調する。 (木村泰之)
野菜たっぷり…〝ほったらかし〟調理 _ 「せいろ蒸し」のブームが到来している。家庭料理に求められている時短・ヘルシー・簡単の三拍子がそろっており、レシピ動画メディアでの検索数は5倍に増加。せいろ蒸しに特化したレシピ本の出版されるなど広がりを見せる。“ほったらかし調理”が可能で夏も活用できる。豊作傾向となるキャベツやレタスなど野菜の消費拡大策としても注目だ。 エブリー(東京都港区)が運営するレシピ動画メディア「デリッシュキッチン」によると、せいろを使ったレシピの検索数は2024年9月ごろから伸長。24年9月と今年5月を比較すると約5倍になっているという。同社はせいろに注目が集まっている理由について、「時短・ヘルシー・簡単という三拍子に加え、初心者でも挑戦しやすく見た目も華やかに仕上がる」とみている。中華料理に使うイメージが根強いせいろだが、多様なメニューに使える。 デリッシュキッチンでは「豚バラキャベツのミルフィーユせいろ蒸し」が人気だ。豚バラとキャベツを重ねるだけで簡単に調理でき、担当者は「蒸すことで水っぽくならず野菜のおいしさが引き立つ」と説明する。 _ _ _人気レシピの「豚バラキャベツのミルフィーユせいろ蒸し」(デリッシュキッチン提供) _ _ _ 「せいろ蒸しブーム」の火付け役となったのが、インスタグラムでせいろの魅力やレシピを発信するりよ子さんだ。23年4月から発信を始めると簡単なレシピがうけて、フォロワーは現在約20万人。昨年9月には特化型のレシピ本「すべてを蒸したい せいろレシピ」(1540円)を出版。 _ _ _発行部数が20万部を超え人気を集めるレシピ本「すべてを蒸したい せいろレシピ」(Gakken提供) _ _ _ 6月1日時点で22万部を超える発行部数となり、出版元のGakkenは「レシピ本としては異例のヒット。読者層も10~80代と幅広い」と話す。 せいろ蒸しについて、りよ子さんは「野菜をたくさん食べられ、健康的な食事を手軽にできる」と魅力を語る。野菜全般で相性が良いが葉物ではレタスがお勧めだとし、「丸ごと入れても蒸すことでかさが減り、量を食べられる」とする。 暑くなる時期に敬遠されがちな蒸し料理だが、夏野菜にも合う。ほったらかしで調理できる点も夏に向いているとし、「季節野菜の蒸しびたしはお薦め。野菜をまとめて蒸しておけば、食欲ない時でもさっぱり食べられる」と提案する。 (菅原裕美)
品質の良さが伝わりきらず伸び悩む商品を、ヒット商品に変えるーー。多くの企業や団体がコラボを依頼するのは、企画・制作を担う面白法人カヤック(神奈川県鎌倉市)だ。悩める商品ブランディングやデザインを、常識破りな発想で解決に導く。国産農畜産物の消費を盛り上げるヒントを探しに、同社に潜入した。 _ _ カヤックは、CMなどの企画や広告制作を手がける会社になる。企業理念に社員自らが面白がって働くことを追求し、今年で27年目。コラボ依頼のオファーが後を絶たない。国産農畜産物の消費拡大につながる企画も多く携わる。 _ 千葉県産の生乳を使用した牛乳などを販売する古谷乳業(千葉市)は、乳飲料やヨーグルトなど計4商品でコラボする。第一弾は「ミルクの束縛 ミルクコーヒー」だ。原料は生乳、コーヒー、砂糖のみ。生乳を使わないミルクコーヒーも多い中、生乳量は75%とかなりの量を使用する。濃厚なミルク風味の売り込みに、カヤックのブランディング力が光る。 商品名は、一口飲めば濃いミルクの風味に溺れ、他の商品には浮気できない意味を込め「束縛」と付けた。紙パックは、また手を伸ばしたくなる「甘い誘惑」や、「抑えられない思い」など生乳への深い愛情で埋め尽くす。「最も情報を求めるのは、店頭で商品を手に取る消費者である」(カヤック担当者)ことから、牛や牧場など基本のデザインではなく、商品自体を広告媒体にした。生乳を多めに使う分、500ミリリットル236円と通常のミルクコーヒーよりも高値で販売する。千葉県限定での販売だったが、東北から関西まで販路拡大を続ける。 _ _ 第二弾は“食べる絵本”をイメージした「物語のあるヨーグルト」全3種(各400グラム、オープン価格)。商品の味や製造過程を物語に仕立て、内ぶたには“あらすじ”が書かれている。一番人気の商品「ぐうたら蜜バチ」では、「まだ知られていない小さな島にとろーり蜜の実がなる不思議な森がありました」と始まり、ミツバチが蜂蜜を島のヨーグルト工場に運び、ヨーグルトと蜂蜜が出合う場面へと展開される。物語の世界に引き込まれた消費者に「ぐうたら蜜バチ」のヨーグルトを食べてみたいと思わせる仕掛けだ。実際の商品は、国産生乳のヨーグルトに蜂蜜の優しい甘味が広がる。キャッチ-なパッケージに引かれ、商品の売れ行きは好調。製造が間に合わないほど注文が殺到しているという。 _ _ _食べる楽しさやわくわく感を加えることで、競合商品から一線を画した古谷乳業の「物語のあるヨーグルト」シリーズ _ _ _ _ _ JA全農とのスキムミルク(脱脂粉乳)の消費拡大を目的にした企画では、イベントスタッフに筋骨隆々なマッチョを起用。スキムミルクの高タンパクかつ低糖質という特徴から、「真っ先にマッチョが頭に浮かんだ」(カヤック担当者)。多くのメディアで露出され、SNS上ではスキムミルクの話題が11倍に拡大。JA全農は「需要を見いだすことが生産者に期待される要素になる」と、コラボに手ごたえを感じる。 _ _ _鍛え抜かれた筋肉を模したパンをマッチョが提供した(24年11月、渋谷区で) _ _ _ _ _ 和牛販促にも注力する。滋賀県近江八幡市の日本料理店「ひょうたんや」は、近江牛で日本文化を描いた「Art Beef Gallery」(A5・サーロイン300グラム、1万800円)を売り込む。「赤身肉の霜降りはもはや芸術」(カヤック担当者)と、歌舞伎役者の赤いかつらや赤富士を表現した。奇抜なアイデアでギフト向けの需要を拡大し、デザインは5種類に増加。21年の発売当初から売上高を伸ばし続ける。24年度は過去最高の1500万円となった。 _ _ _近江牛を赤富士に見立てた(ひょうたんや提供) _ _ _ _ 全ての企画に携わるカヤックの合田ピエール陽太郎氏は、生産現場の厳しさに真正面から向き合い、「企画や商品を通して、こんなにおいしいものが手に入らなくなる可能性がある、という危機感を訴えたい」という。同社の”おもしろ”は、産地への熱い思いが込められていた。 _ _ _カヤック 面白プロデュース事業部クリエイティブディレクター兼コピーライターの合田ピエール陽太郎氏 _ _ _ 農業界は口下手でPRが得意ではないとされる。せっかく栽培方法や品質にこだわった農畜産物も、十分にアピールできていない課題がある。手に取ってもらうにはどうするか。カヤックの「真面目に品質の良さを伝えるだけでは、もったいない」とした言葉にヒントがあった。リピーターを獲得するには、まずは商品を手に取ってもらう仕掛けが大切だ。産地が販促に困ったら、外部の知恵を頼ってみるのも手だと思える。 (廣田泉)
近年、競争が激化するスキンケア商品市場で、国産農産物由来の化粧品成分を取り入れた商品が好調だ。化粧品メーカーは、差別化戦略として、国産原料で品質へのこだわりをアピール。定着が進む輸入化粧品にも対抗する。「肌に直接付けるものなら安全・安心な商品を」とした消費者から、支持を獲得している。国産農産物のPRへ、新たな切り口となりそうだ。 _ _過去最高売り上げ支える国産大豆 _始まりは「豆腐屋さんの謎」 _ 医薬品・化粧品などを製造・販売するノエビアグループ常盤薬品工業(神戸市)は国産大豆の豆乳を使用した、スキンケア商品「なめらか本舗」ブランドは成長を続ける。化粧水や美容液、乳液などを幅広く展開し、2024年9月まで1年間の売り上げは過去最高を記録した。 04年のブランド設立当初、健康志向の高まりでイソフラボンが関心を集めていた中、「お豆腐屋さんの手がすべすべなのはどうして?」という疑問から商品開発を進めた。当初から国産大豆を使用し、商品には「国産大豆ふくゆたか使用」などと表示する。同社は「輸入大豆では農薬使用など栽培状況も把握しづらい。国産で品質に配慮されたものを使用したい。国産と表示することで大豆へのこだわりと安心を感じてほしい」と語る。_ _ _ _(常盤薬品工業提供) _ _ _ _55種の強み生かし配合 _ 同社は全国から55種類の大豆を集め成分を研究。豆乳に加工して発酵・濃縮したイソフラボンを豊富に含む保湿成分「豆乳発酵液」を抽出して配合する。 品種によって保湿や肌を健やかに保つ成分が異なり、美白ラインの商品には北海道産「ゆきぴりか」、エイジングケアラインには滋賀産「タマホマレ」、保湿ラインには九州産「フクユタカ」を採用。同社は「ユーザーから国産大豆使用が安心感につながるとした声がある」と話す。_ _ _ _(写真は常盤薬品工業提供) _ _ _ _化粧品需要でクチナシ生産継続 _ スキンケア化粧品の相手先ブランドによる生産(OEM)などを行うサティス製薬(埼玉県吉川市)は、「肌悩みにアプローチする有効性を追求した結果、有効成分が豊富に含まれている各地の素材にたどり着いた」と全国各地の農産物などを活用した化粧品原料の開発に取り組む。これまでに青森産食用菊、大分産クチナシなどから作り、100種類以上に及ぶ。配合した化粧品の年間出荷数は、10年の開始当時の14万個から22年には2700万個以上に拡大した。 大分県のあるクチナシ生産者は、食用需要低下で生産をやめようと悩んでいた。しかし化粧品への活用が決まると、継続を決断。「クチナシを求める人がいることが希望になった」という。同社は「肌悩みにアプローチする成分は農産物の中に眠っている。今後も各地の素材を発見していきたい」と語る。 _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _(写真はサティス製薬提供) _ _ _ 民間調査会社の富士経済は24年9月、スキンケア商品市場は近年拡大し、24年には1兆3956億円に達すると見込んだ。韓国のメーカーなどからも商品の投入が進み競争が激化しているという。配合成分を重視して商品を選ぶ消費者が増加。同社は「今後も効果や成分を重視する傾向は強まる」とみる。国産農産物由来の成分が今後、注目度が高まりそうだ。 _ _ スキンケア商品での国産由来成分の表示を歓迎したい。メーカーは商品へのこだわりや安心感を打ち出すのに、国産原料の採用が有効な手段とみているのだ。表示からどんな産品か、消費者は関心を示す。実際にその農産物を食べたくなる人も出てくるはずだ。スキンケア商品を通じて生産側の情報を発信する機会にしてみてはどうだろうか。国内の農産物が持つ可能性を広げ、消費拡大への新たな一手として期待される。_ (森井千尋)
ブロッコリーの相場が平年比1、2割安と軟調だ。西南暖地産を中心に安定した入荷がある一方、野菜全般の潤沢感で引き合いが弱い。今後は西南暖地産が出荷最終盤に入ることで総量が減り、後続で出荷序盤のため単価が高い長野産などが増えるため「相場は強もちあい」(東京の青果卸)の見通し。 ブロッコリーの26日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は、平年(過去5年平均)比12%安の1キロ336円。5月以降、7卸取引量が平年を上回って推移する中、軟調な取引が続いている。 京浜市場の主力・JA香川県は「前年のような病害もなく、生育順調で安定した出荷となっている」と話す。直近の気温の低下で「この時期としては例年より正品率も維持されている」という。大阪市場の主力・徳島産は、5月上旬に出荷のヤマを迎えた後も順調な出方が続いている。JA全農とくしまによると「5月上・中旬の出荷量は平年並み、少なかった前年同期比では2倍程度の安定した出方だった」という。香川、徳島産ともに出荷は終盤に差しかかっており、出荷量は今後減少する見込みだ。 安定入荷の一方、引き合いは弱い。東京の青果仲卸は「春夏商材が売り場を広げる一方、ブロッコリーはゆでて食べる商材のため、気温の上昇とともに需要が落ち着き始めている」という。大阪の青果仲卸は「底堅い需要がある」とするが、「潤沢に出回る品目同士で売り場を押し合っており、野菜全般の荷動きが鈍い状況」と話す。 今後の相場展開について大阪の青果卸も、東京の青果卸と同様に「来週あたりから相場は徐々に上向いていく」と見通す。 (郡司凜太郎、永井陵)
政府備蓄米は責任を持って消費者に届けています--。JA全農長野は21日、備蓄米の販売状況を公表した。全農長野はJA全農を通じて1回目の入札で長野県産米の他、さまざまな産地の備蓄米7700トンを確保。このうち、県内の米卸売事業者2社に約1000トンを出荷し、すでに卸には62%を出荷したと説明した。 全農長野は確保した備蓄米の流通・販売が順調に進んでいることを受け、3回目の入札で2000トンを新たに確保したことを明らかにした。米穀課の池田吉隆課長は「売り場に米がないという状況を防ぐため、追加で確保した」と説明。「切れ目なく消費者に米を提供してく」と話した。 _ _ _ _ 全農長野は同日、消費者に向けて販売状況を伝えるため、開店前のA・コープファーマーズ南長野店(長野市)の精米売り場を報道陣に公開。備蓄米は「国内産ブレンド米」として5キロ2990円(税別)で店頭に並んだ。 運営会社の長野県A・コープの米担当者は「備蓄米でもうけようとは思っていない。なるべく多くの人に米が行き渡るよう、この価格で販売を続ける」と話した。 (岩下響)
食品事業者の3割が農業への参入に関心があることが、日本政策金融公庫の調査で分かった。2割は既に参入。7年前(18年調査)より4・3ポイント増え、原材料の調達などに向けた参入がじわり拡大しているとみられる。 1月に郵送とインターネットで調査し、製造や小売り、飲食など食品関連事業者2147社から回答を得た。 既に参入している事業者は17%で、自社やグループ会社などで「農業を行っている」が15・7%、「農業法人に出資している」が1・3%となった。参入に関心がある事業者は26・6%で、「計画または検討している」が3・7%、「関心はあるが、検討していない」が22・9%だった。 公庫は、国産農林水産物の調達では、十分な量を確保できないことや、価格変動の大きさが課題となることで、「調達への危機意識が高まっているのでは」と推測する。 一方、参入を「断念した、または撤退した」も1・6%あった。参入に「関心がない」のは54・8%で。7年前から1・6ポイント減った。 既に参入しているか参入を検討している営農類型を複数回答で聞くと、「畑作」が34・8%で最高だった。「果樹」が23・4%、「稲作」と「露地野菜」が19・4%で続いた。 業種別にみると、製造業のうち既に参入している割合が最も高かった業種は「酒類」で33・1%だった。一方、参入に関心があるのは「精穀・製粉」が36・4%で最も高かった。卸売業では、既に参入しているのは「青果物」が28・3%で最高、参入に関心があるのは「穀類・豆類」が54・1%で最も高かった。 (本田恵梨)
県独自ブランドのイチゴやスイカ、完熟カボス――。近年、市場が急拡大しているグミは、国産果実を使った商品の提案が活発だ。果汁の使用以外にも、品種や産地名を出すことでPR効果が期待できる。果実の摂取量が減少する中、若年層の消費も多いグミは果実の救世主となるのか。産地やメーカーが一粒に込める思いに迫った。 _ _ _ _ _ _市場1000億円_止まらぬ拡大 _ グミの市場は急拡大している。調査会社インテージによると、市場規模は24年が1138億円に上り、7年で約2倍になった。その間、グミの進化は止まらず、果実そっくりな見た目や食感を追求した商品が次々と登場している。その裏で果実の消費量は落ち込んでおり、20才以上の1人1日当たり摂取量は23年が91・6グラムで10年前から2割減少した。果実離れの一因をグミとする見方もあるが、近年風向きが変わった。グミは果実消費を後押しする動きもある。 _ _ _ _ _国産で全76種累計4600万パック _ JA全農のブランド「ニッポンエール」では、全国の特色ある国産果実を使ったグミを21年に発売し、これまで76種が開発・販売されてきた。23年には47都道府県を制覇した“ご当地グミ”だ。商品数を生かして選ぶ楽しさや売り場で並べてPRできることを強みに、全国の量販店や直売所などで販売。シリーズで約4600万パックを売り上げた。 滋賀県では、県オリジナル品種のイチゴ「みおしずく」を採用。JA全農しが園芸特産課は「新品種のPRになればと提案。生のイチゴが流通しない時期でも販売が可能で、認知度向上につながる」と期待する。県内のスーパーでは、生の「みおしずく」とグミを並べた販促で消費者から反響があったという。 また、大分県産完熟かぼすの果汁を使用したグミは、同商品をきっかけに他メーカーがフレーバーに採用するなど反響があった。完熟したカボスは生果として市場流通に向かないため、加工品にすることでおいしさを伝えられた一例だ。 _ _ _種類が豊富なニッポンエールのグミ(東京都千代田区で) _ _ _ 昨今は果実生産量の減少や若い世代を中心に果実離れが進んでいる。開発を担当した全農営業開発部MD企画課の戸川美子課長は「手に取りやすいグミで果実を知ってもらい、生果の販路拡大につなげたい。認知度向上に加え、一般流通に向かない規格外品の活用も担っている」と語った。_ _産地、果実感…_大手もこだわり _ 幅広い世代から人気を集める「果汁グミ」を手がける明治(東京都中央区)は同商品の発売以来、市場をけん引してきた。ニーズに合わせて多様なシーンで手に取ってほしいと同商品は、噛み応えでも選べるように「かみごたえチャート」を記載。また、個包装の食べ切りサイズもラインナップに加える。 UHA味覚糖(大阪市)は、“まるで果実”をコンセプトに「コロロ」を販売する。グミをコラーゲンで包み、ぷちっと弾ける食感とジューシーさが特長だ。巨峰味やシャインマスカット味は「本当にブドウを食べているみたい」などと反響が届くという。 カンロ(東京都新宿区)の「ピュレグミ」はドライフルーツをイメージした果肉食感と甘酸っぱい味わいが魅力だ。産地や品種にこだわった果汁を使用し商品も提案している。 _ _ _(明治、UHA味覚糖、カンロ提供) _ _ _ _ 果実の摂取量が減少傾向にある中、どのようにして消費をつかむのか。まずは果実のおいしさや種類の多様さなどを知ってもらうことが必要不可欠だ。 手軽に楽しめるグミは、果実の規格外品の使用や、各メーカーの産地・品種を前面に出した商品提案も広がっている。グミを好む若い世代に果実をPRするには、救世主のような存在だ。だからこそ味方につけ、生果実の消費拡大につなげる好循環を目指したい。 (菅原裕美)